私の職場(駿河台大学)では、ゼミ担当教員が日常的に学生にアドバイスしており、退学の際にも相談に乗っています。退学にいたる経緯は様々ですが、近年顕著になっているのが家庭の経済事情の悪化による学費未納から退学を余儀無くされる、というケースです。
 私が担当した学生にも、そのようなケースが複数みられています。経済事情の悪化の原因は、保護者の失業か病気による収入の減少でした。それを埋めるために、学生がアルバイトで稼いだお金を実家に仕送りするというのが定番になっています。しかし学費分までは稼ぐことができず、結局退学していきました。
 退学した学生のなかには成績が並以上の子もいたのですが、学費が払えないというのでは仕方無く、残念でなりません。せっかく大学に進学したにもかかわらず、家庭の事情により就学を断念せざるをえない学生は、決して少なくありません。いわば保護者の都合の犠牲になってしまっているのです。しかし責任を保護者に押しつけるだけでは、同じような事態が繰り返されるだけでしょう。
 目の前にいる学生が、無事に卒業して、社会に旅立っていく。そんな当たり前のことが難しくなっている学生がみられるようになっている、という実状を、社会はそろそろ真剣に受けとめる必要があるように思います。
 特定非営利活動法人親子ぐるみ支援ネットワーク理事 黒田基樹