「おはようございます!」
「こんにちは!」
「お疲れさまです!」
生徒の元気な声が昇降口に響きます。
日暮れの早くなるこの季節、生徒たちが登校してくる時刻には陽はとっぷりと暮れ、教室や体育館に灯る明かりが「定時制高校」の象徴ともいえます。
昇降口からまっすぐの廊下伝いに1年生から4年生までの教室が並んでいます。
授業前の教室で友達とおしゃべりに興じる生徒の様子を覗き、すれ違う生徒と言葉を交わしながら給食室へと向かう時、ふと「私はなぜ今この場所に立っているのだろう」と考えます。
早朝から遠方の現場で働き、汚れた作業着を着替える暇もなく、時折居眠りをしながら夜の教室で授業を受ける生徒たち、14年近く前に子どもシェルターで出会った子どもの姿と重なることがあります。
2004年に「日本で初めて」民間の子どもシェルター「カリヨン子どもの家」が開設され、そこにたどり着いた子どもたちと寝起きを共にしました。制度の狭間に落ちた子どもたちとの暮らしは私のその後の人生を変えることになりました。
経済的困窮や親子の関係のこじれから希望を失った思春期の子どものへの支援はなかなか届きません。
日々の生活が厳しい中で、親や弟妹を思いやり、進学の希望があっても諦める生徒が目の前にいます。
「日本で初めて」奨学金と福祉的支援を同時に行うという基金を「親子ぐるみ支援ネットワーク」は目指します。
かつて「カリヨン子どもの家」がそうであったように、はじめの一歩を踏み出せば後に続く人が必ず現れるでしょう。

夢を描く想像力、それを実現する行動力。
私たちはその力を信じ応援します。

特定非営利活動法人親子ぐるみ支援ネットワーク
副理事長 滝沢雪子